◇タイの観光名物、像乗りとは

タイを訪れると、ゾウに会う機会があるかも知れません。タイ人にとってゾウは特別な動物です。タイにはエレファント・キャンプがあり、このキャンプを訪れればゾウと触れ合うこともでき、ゾウの背中に乗るという体験をすることができるのではないでしょうか。

この地を訪れる旅行客にとってはゾウと触れ合えるとても素敵な瞬間です。楽しみにしているという人もいるといえます。しかし、ゾウとの友情がないのにお金を払ってその動物に乗ってはいけないのです。しかしどうして?と思う人もいるといえます。

その理由は、トラベラーたちを背中に乗せるために、この動物は過酷な訓練を受けるからです。トラベラーたちのためにこの動物は拷問を受けながら虐待されているのです。

◇象に乗ってはいけない理由がある

タイには象にのれる施設がたくさんあります。トレッキングキャンプではこの動物に乗るアトラクションを楽しむことができます。トラベラーたちはわずかな料金でゾウの背中に乗ることができ、15分間散策できたりします。この国を訪れた旅行客たちはこの動物の背中に取り付けられた竹製の座席に座って象乗りを楽しむのです。しかし、こうしたアトラクションでは酷使されてしまい、健康を害したゾウがたくさんいるのです。

人間を乗せるために、この動物は服従訓練を受けています。訓練するために、ゾウ使いたちは特別な道具を使用します。ハンマーと鉤が一体になったような道具で、ゾウの頭を叩いたり、皮膚のデリケートな部分を突いたり、睡眠を奪ったり、食べ物を与えなかったりして、人間に服従させるのです。また、ロープを首にかけ、人間に服従させるための訓練も行われます。もちろんこのような訓練を受けさせられたゾウは苦しみます。そして、この動物が暴れればロープはさらに首に食い込んで、さらに苦痛が増していきます。このような訓練がゾウの虐待に当たるという指摘が世界中で行われています。

トラベラーたちがゾウ乗りを楽しむために、この動物は苦痛を与えられてしまいます。このことがタイでこの動物に乗ってはいけない理由の一つです。

◇赤ちゃんが母親から引き離される

服従訓練はこの動物がより若いほうが効果的です。そのため、調教師たちはこの動物の赤ちゃんを母親から引き離します。調教しやすいよう、まだ何も知らない赤ちゃんの象を野生のお母さんから奪い取っていきます。

小さなうちに母親から引き離され、人間によって虐待されながら調教され、時には栄養も睡眠も十分に取れない状況におかれながら象乗り用の動物として生きることを強いられます。赤ちゃんのうちから母親と引き離され、十分に愛情を受けられないまま人間のために虐待されながら働かされます。これがタイでこの動物に乗ってはいけない理由なのです。

◇寿命の半分ほどで亡くなっていく

ゾウ乗り用の動物として働かされる象は、タイでは暑い中で充分な栄養ももらえずに酷使されます。また、反抗的な態度をとればさらに虐待され、耳の裏側から出血していたりする動物もいるといわれています。

ある象乗りで働くゾウが、トラベラーたちを乗せて街中を40分歩いた後、倒れて死んでしまったというニュースなどもあります。風もない日に40度の気温の中で働いたことによる心臓発作で亡くなったということでした。もともとこの動物は人を乗せて歩くようには体はできていません。タイの森林が生息地のアジアゾウなどが暑い町中を重い2人の人間を乗せて長い間歩くというのはかなりの身体的な負担にもなります。重い台を丸くなっている背中に人と一緒に乗せるということは、それだけでも背骨の変形などの原因にもなってしまいます。人間を乗せて長い間労働させられるということは健康被害にもつながるのです。自分が乗ったゾウが直後に亡くなってしまったなら、そんな旅はぜんぜん楽しくないのではないでしょうか。

◇旅行客がゾウに乗らないことがスタートライン

ゾウ所有者の生活などを理由にして、旅行客を乗せるゾウ乗りを正当化する意見もあります。しかし、トラベラーたちが気軽にこの動物に乗らなければ行政も別のことを考えることができるといえます。そのため、まずは、旅行客がゾウに乗らないということがこの虐待ともいえる象の服従訓練などを止めさせるスタートラインといえます。
このような理由でタイではゾウに乗ってはいけないということなのです。